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職人の技 黒七輪

三河黒七輪の歴史

黒七輪

愛知県の三河地方は、江戸時代から続く”三州瓦”の産地として知られています。 瓦の歴史は今から2800年も前ですが、日本には1400年前に伝来します。現在の三大瓦生産地は当地の三州(愛知県東部地域・三河)、そして石州(島根県西武地域・石見)、淡路(兵庫県淡路島・西淡)になります。 現在もこの当時の古い瓦が日本の寺社に残っておりますが、実に丈夫です。 三河の地では300年前からいぶし瓦(炭素膜処理)の製造を始めています。

三河の黒七輪は、全国40%のシェアを誇る「三州瓦」と同じ三河土が使われており、この“いぶし瓦”と同じ製法で作られています。

三河地方の七輪の歴史は、江戸時代の天保年間(1830~44年)頃、長州(現山口県)から伝承したもので火鉢やまるい土炉をつくっていました。当時、このまるい土炉には下部に空気穴があっただけで戸口はありませんでした。現在のような戸口は、三河が発祥と言われています。

昭和23年創業、現在では日本にたった一軒だけの「黒七輪」の製作工房となりました。

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三河七輪の特徴

二重構造

「三河黒七輪」は、本体と燃焼部が二重構造になっています。
外側に三河土、内側に珪藻土を使った二重構造です。 本体(外側)には、全国40%のシェアを誇る「三州瓦」と同じ三河土が使われており、燃焼部(中子)には、近年注目を集めている能登半島和倉の珪藻土が使われています。粘土と混じった珪藻土は七輪を作る場合、最も優れた材質です。

両者の間は空気層となり断熱性が高いです。また、直火に強く、熱を伝えにくい、そして保温性に優れています。 この三河土と珪藻土の二重構造が「三河黒七輪」の最大の特徴です。

丈夫さ

珪藻土だけで作られた七輪に比べて、ずしりと重く、丈夫なので金属のバンドの補強が不要です。従って腐食部分がない事から塩害をうけず海辺の地方でも心配なく使われています。長持ちするうえ保温性が高いです。

風戸

風窓を土のまま切って土の開閉引き戸を付ける技は三河で開発されたと言われており、日本で唯一の技です。
燃料の薪や炭を燃焼させるためには、空気が必要です。土が生乾きの時に小さな鎌で切り口を入れ陶土をくり抜いて開口させます。そして空気の調整口が引き戸になっています。
「風戸」の空気調整能力は、薪炭の燃焼火力調節が自由自在にできる優れものです。

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杉松製陶さんのこだわり

土について

土は備前や常滑などを試してみましたがやはり三河の土が良いようです。 昨今では、地元の原土の質が落ちてきており、何かと手間がかかります。しかし三河の土以外考えられない為、土作りは念入りに行っています。

作り方

1つ1つ丁寧に、こだわりを持って「手作り」しています。

七輪の形になってから充分「天日乾燥」させた後に、黒鉛をぬって那智黒石で七輪の表面を磨き上げます。
味わい深い黒色は、松などの針葉樹薪を真っ黒になるまで燃やし炭化させます。それを粉にして水で溶き何日も屋外で寝かせます。ドロドロになった溶き炭を三河土の側に塗り、那智黒石で光るまで磨き上げることでできあがります。

技として難しいのは窯炊きです。700度で7~8時間かかります。
60年使い続けている自慢の“だるま窯”の中に、一度に400個の七輪を並べ、火を入れます。

最後火を落した段階で、松脂を窯に入れ密封し七輪の表面に艶を出します。

三河土の黒七輪本体と珪藻土の中子はだるま窯で別々に焼成された後、「マナゴ」と呼ばれる土で接合されます。
熱にとても強い「三河土」、軽く断熱性の高い「珪藻土」
この性質の違う二種の土が接合されて一体化されたのが三河黒七輪です。

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火の起こし方・消し方

火の起こし方

  1. まず、火をつけるために、薪の木っ端や折った割り箸細かい炭・新聞紙等を先に置きます。(新聞紙は灰が飛ぶので最小限度にした方が良いでしょう。)固形の着火剤を使うのも、お手軽で簡単です。
  2. 火がつきましたら徐々に太い薪をくべます。 薪が1/2以上燃えたところで木炭を加え、炎がなくなりましたらうちわで全開に開けておいた通風孔から風を送り込んでください。
    ※備長炭の場合は、薪が燃えて炎がおさまり、熾き火になってから加え、うちわで扇いでください。
  3. 炭に火を廻してから火力が落ち着くまで待ちます。 炭自体が全体的に赤くなった時が炭に火がついた目安です。
    ※やけどには十分お気をつけください。

消し方

水で消す

バケツに水をはって炭を投入してください。
炭は天日干しで完全に乾燥させれば、再度使用できます。
※内部に水分が残らないよう完全に乾燥させてください。
ただ、この方法ですと水蒸気が大量に発生してしまいますので、注意が必要です。

砂で消す

炭に砂をかけ、酸素をなくして消すことによって簡単に処理できますし、再度使用できます。次に使う時はより簡単に火をつけることが出来ます。

密閉して消す

火消し壺や密閉できる空き缶などで空気を遮断して消します。
火消し壷の場合だとそのまま手を汚さずに持っていけます。
空き缶など空気を遮断できるものでも消せますが、かなり熱くなりますので、必ず熱に耐えられるものをお選びください。
その際、フタはしっかり閉めてください。 隙間があいていると空気が入り、炭は燃え尽きてしまいます。
また、消火までに時間がかかりますので、完全に消火が確認されるまで安全な所に保管してください。

どのような消火方法でも完全に火が消えたかどうか、木炭を手で触るなどして確認してください。
※木炭は火がついていても消えたように見えるので注意が必要です。

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